Rougeは過去のリヴァイヴァルではない音楽という美しさの物語。そして翼を欲しがった少女と少女の羽根になりたがった少年の物語。そこにロックの美しさーーエレガンスとソロウがある。今もの生きているのなら捧げよう。何もかも。音楽と言う名の牧神に。叶うなら。何もかも捧げる。それは2015年12月8日。ジョン・レノンの死んだ日に。日本武道館に奇跡的にライズの頂点を極めたヴァンドのそのシーンから始まる。
そして流れるーー
二人のすみれに、そしてカノン。
凛湖は見えないものを見たかのように2人を見ている。
それは運命というものを導く星。
凛湖の、翔の・・
それがどのようなものであろうとも。
このハッピーバースデーライヴは凛湖にとっても運命めいた何かを感じた日になった。
自分は何が欲しかったのか。
まだ名前の見えないそれが見えたような気がした。
僕は見た後、睥睨すべきものを見た。この日ばかりは自分の非業を忘れてもいいと思った。
今井寿と言う天才に導かれ、5人の魔王たちは獣たちになる。
そして踊る。
さあ、ボードレールの聖なる獣のように羽ばたけと僕はこのロクス・ソルスの獣たちの連載で書いた。
ロクス・ソルスの獣たちは羽ばたいた。
翔はライヴの始まる前にまだタイトルの決まっていない4thアルヴァムの事を考えていた。
歓声が聴こえる・・
リフレインするFIELD OF HEAVENへの期待──Heartsにとっての最大の舞台。それに対する期待と昨年12月27、28、29日の南青山Wall & Wall、u crack irigaruを観て、そしてReady stady George!!の出演、そして年が開けてから始めていたWalpurgis Odeの制作、そしてHeartsの4thアルヴァム制作の事を考えていた。
「Heartsはついにフジロックまで来ました。ここにいるオーディエンスの皆さんに感謝を。今回は全て新曲ですがいかがですか?」
オーディエンスは口々に叫ぶ。最高と。素晴らしいと。
Showの言葉は続く。唐突に。
「長年、僕達に影響を与えてくれたくれた友人のフェレットが死にました。まだ1歳を数えていない歳です。それにも関わらず彼はこの衣装を作ってくれました。この曲はその人に捧げます。タイトルは13」
黒のレイアウティングに背景にオブジェ。台型の鉄骨が天井にレイアウティングされている。この舞台。人気のないこのFIELD OF HEAVENのステージを目の前にする。凜湖はステージを見つめ、手を延ばす。
何か見果てぬ夢を見つめたように。
届かないのものに手を伸ばすように。
「私達昨日ここで演奏をしたんだよね」
「ああ」
「オーディエンスも一杯観に来てくれたんだよね」
「そうだな」
夏の暑さの中、夜の帳だけがそこにあった。
苗場の夜空が広がる。
「私達の1つの頂点なのかな?」
「そうなんだ・・」
凛湖はそこまで言うと思い出したように言った。
「私の心臓は?」
「大丈夫、心臓には異常が無いよ」
「そうなんだ。良かった、それならツアー行けるね」
「そうだな」
その時翔は思った。久しぶりに実感した凛湖の心臓の病を。これだけのショックを感じてこれから始まるツアーで心臓の病が再発しないのか。
不吉な予感を感じながらも翔は振り払う様に意識を醒めさせた。そして凛湖を見つめる。
そして再びShow達はステージを後にする。
鳴り止まないアンコールを呼ぶ声。
それに呼ばれるように翔達はタヴルアンコールの場に出でくる。
「タヴルアンコールのレスポンスありがとう。タヴルアンコールはHeartsでは初めての事です。まずはメンヴァー紹介を」
そう言い。ShowはTollの方を向きそして言う。
「ベース、Toll」
その声に合わせTollはベースを弾く。爪弾かれるメロディ。それは暫く続きオーディエンスの歓声を呼ぶ。
「そして、いつも支えてくれるマニュピレイト、お兄さんのShinya」
その声にShinyaは手を振っただけで答えた。
「ギター、バッキングヴォーカルRouge」
その声にオーディエンス。特に少女達からの歓声が高かった。
Rougeのそのチャームが少女達の憧れなのだろう。
そして僕、ヴォーカル、ギターShow。
その声に歓声が一際高まる。
Showは暫くその歓声を聴くと言う。
「静かに・・」
その声にオーディエンス達は波を引くように静かになる。
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