top of page

Golden Age Of Darkness vol.1 


ゴールデンエイジ・オヴ・ダークネス
時は闇に飲み込まれ、光は吸収される。
そこにあるのはヴォイド、深淵。
時は闇に染まる。
だがその闇の中に透けそうな色彩がゆらめく。
それは闇に踊る美しい少女の姿。
だが、それはいずれ失われる。
暗黒世界の黄金時代(ゴールデンエイジ・オヴ・ダークネス)。
そこに少女は透けるような白いドレスを着てただよう。それを追う影が一つ。
少女と影は出会った。

 

Golden Age Of Darkness vol.2 

リリィは夢を見ていた。とても悲しい夢を。それは親と別離し、ただ一人湖面へ泳ぐ白鳥の夢。白鳥は悲しみの様に湖面を流れ、そして水鏡のような湖面に映る星を揺らし、波紋の様に散って行かせた。白鳥はただ1羽、孤独に湖面を泳いでいた。その行方に花が咲き、湖面を飾って行った。
星ーー
何処で見たのだろう。

Golden Age Of Darkness vol.3 
そこで初めてクゥーンはその華やかな唇を開いた。
「あなたの美貌ーーポーンのようね」
闇に似つかわしくないあでやかな声を響かせる。だが、それも奴に吸われた。
ファンタズマは幻覚の様に闇に浮かび上がっては広間を照らし、このドープショウの観客に告げた。

Golden Age Of Darkness vol.4 
すべてが輝いている。
幻想的な直線の梁と曲線の装飾によって築かれた巨大な建造物がいくつ
も並んでいた。
死の谷の影の中を潜り、その瞳に映ったものは輝きの光芒だった。
そして血の匂い。
通路にはあまり人はいなく、時折見かけるその姿はフードを被り表情は見て取れなかった。
死はタロット。
死は天使。
死は神。
私達はすべてを殺す。
そしてドラゴンの灰になる。
この街ーーホーリウッドを歩く人々はフードを被りその表情は見て取れない。

Golden Age Of Darkness vol.5

「事においては倒すという事か」

静寂の中にレイの声が響いた。静けさにだが、はっきりと不穏な予感を孕みつつスレインは言った。

「そう、ペイルエンペラーだけでなく、既に敵対状態であるミッドガルドのクィーン。そして我らブラックロッジの王も」

「ブラックロッジの王」

レイは先刻の幻像を思い出していた。最後に出て来た今までの記憶に無い貌。黒髪で首から下がなかった男ーー

その男がブラックロッジの王

レイは始めてその感覚が大きく揺れ動くのを感じた。

絶対的存在に抗う1人のソルジャーとして。

「レイ・・レイ」

リリィの無垢な彼の呼ぶ声にやっと現実の世界に戻って来た。

だが、マザーによる幻想の世界の。

そこにいたのはデヴィルかーー

Golden Age Of Darkness vol.6

「代々クゥイーンをやっているものなら分かるだろう」
「クゥイーンはギカントを召還したときはその命に殉じる」
「俺はお前の血が欲しい。いやすべてを。すべてを見せてくれないか?」
その問いにクゥイーンは辱められているとも思いながら、着かけたドレスを脱ぐ。絶世の美貌。背を隠すブロンドの髪。細い鎖骨、延びややかな腕、豊かな胸、細く長い脚、そして秘所。
「美しいぞ。これから毎日抱き、血を吸えるのは最高の楽しみだ。まずは抱くぞ」
「しかし、ミッドカルドにブラックロッジの兵が集結していると」
「そのようなものはゾーンの化け物に任しておけば良い、まずは俺にお前は抱かれる。
ファンタズマは愛の光景を見ていた。 何も感じず。
犯されるクゥイーン。
それは愛の犠牲者。

 

Golden Age Of Darkness vol.7

「ありがとう。ここ迄守って来てくれて」

 

「嫌、俺は何もしていないが。たが、嬉しいよ」

 

そっとリリィはレイによって来る。それは唇をせがむようだった。だが、レイはそれを拒絶し。

 

「黄金狂と銀星図のステイグマーターをつけているものは男を受け入れては行けない」

 

「何故?私はレイと共に安らぎたいだけなのに。愛し合いたい」

 

「だめだ、お前がよくても、運命や、俺の心が動かない」

 

薄闇は太陽の光を微かに入れている。だからリリィ、レイの表情も分かった。

 

それはリリイは惑いの表情で、レイは冷たい貌だった。

 

「レイは戦う人なのね」

 

​購入はタイトルのリンクから。

bottom of page