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Rougeは過去のリヴァイヴァルではない音楽という美しさの物語。そして翼を欲しがった少女と少女の羽根になりたがった少年の物語。そこにロックの美しさーーエレガンスとソロウがある。今もの生きているのなら捧げよう。何もかも。音楽と言う名の牧神に。叶うなら。何もかも捧げる。それは2015年12月8日。ジョン・レノンの死んだ日に。日本武道館に奇跡的にライズの頂点を極めたヴァンドのそのシーンから始まる。

Rouge27
「さあ、写真取るわよ」

神谷の声が響く。カメラは入っていない。

ここの会話は編集されソレイユのウェブページに載るだろう。

ポップシュールリアリズムの終焉とそれでも生き、変わらぬアートについて。

という題で。

店に何か更かしの力のようなものが集まった。

写真は神谷がまず撮影し、そして、浅葱が変わった。

凛乎と翔の間に立つ鏡子。

そして翔と二人きりで写真に集まる鏡子。

Rouge28

「ピカソのゲルニカの絵。そのポップ・シュールリアリズム・・・生命礼賛は消え、原罪も消え去った。ゲルニカの夜はとても悲しい歌。それが今脳裏を掠めた」

 

「そうなの」

 

「僕は何故か惹かれるんだ。汐野さんの影響でもない、自分の感性・・感受性として。世界は闇に満ちている。僕はその中で音楽だけを作っている。だけどこの世界は・・」

 

それから先の言葉を凛湖は唇で塞いだ。

 

「凛湖・・」

 

「分かるわ、翔の気持ち。私も心臓の病気だと知った時この世界が闇に包まれていると感じた。だけど光はあるわ。私達のやっている事は無駄じゃないし、ライズやフォールも関係ない。私達は音楽を通してしか何かを伝えられない。翔が作りたいものがどんなものでも私はついていく。予兆なものを感じたのね。大丈夫私がずっと側にいるわ。そしてパバーヌを一緒に作りましょう。

 

Rouge29

「今送るURLクリックしてみて」

汐野は話しながらURLを送る。

それはダニエル・カスコーネというアーティストだった。

「そこの2004年位の作品を見てみて・・無いな、今僕が過去にオーガナイズしていたパソコンでサイトから画像送るよ。待っていて」

画像が届いた。

それはAmenと名付けられていた作品だった。

白く抜ける肌、黒い瞳、そして黒い額に装じられた面貌。そしてAmenの文字。

翔は一気に自分のキーが廻ったと思った。

「このサイトもう残っていないから、後でPDF送るね」

汐野と少し雑談をし。電話を切る。大容量のPDFが送られて来た。彼が2003年から2006年までやっていたサイトだった。

レガシー

そして Omenはその曲総てが揃った。

Rouge vol.30

天使達の混声合唱が聴こえる

堕天使達の混声合唱が聴こえる

すべては混じりあい 過ぎれた三位一体が現れる

それは愛と名付けられ 讃えられた

この滅び行く世界で

腐り行く世界で

天使達も堕天使は歌う 届かない歌を

パバーヌは雲を貫いた

それはたった一人の天使の哀しみから

ルシファーの子供

地上の女と交わったのか

彼は生きている

天使達の混声合唱が聴こえる

堕天使達の混声合唱が聴こえる

天使達は嘆かない

堕天使達は涙を拭いた

総てはパバーヌで交わり コスモスを越える

ああ、美しい ああ、もう二度と

世界はまだ輝いているのかい?

その徴を見せておくれ

パバーヌは雲を貫いた

それはたった一人の天使の哀しみから

ルシファーの子供

地上の女と交わったのか

彼は生きている

 

唱えなさいAmenと。

Rouge vol.31

一つはどの音楽のジャンルにも属さないーー強いて言えばダークブロウ、そしてノーウェイヴという新しさを見つけ出したアルヴァム、そして50年間、その「ムーヴメント」の所為で封印されていた映画。
誰もが諦めていた。
テル・ミーライズ。
世界は今も嘘で廻っている。

​購入はタイトルのリンクから。

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