Rougeは過去のリヴァイヴァルではない音楽という美しさの物語。そして翼を欲しがった少女と少女の羽根になりたがった少年の物語。そこにロックの美しさーーエレガンスとソロウがある。今もの生きているのなら捧げよう。何もかも。音楽と言う名の牧神に。叶うなら。何もかも捧げる。それは2015年12月8日。ジョン・レノンの死んだ日に。日本武道館に奇跡的にライズの頂点を極めたヴァンドのそのシーンから始まる。
Day1を観に来たオーディエンスは分かる。Heartsがダヴルアンコールで何を演奏するのかを。ボウイのカヴァーがなんであるかを。
アンコールの叫びを上げるオーディエンス。だがShow達の登場のそのスレインのような、だが、何かを決意したかのようなフィールに息を飲む。声は静けさのままに伝わるものだ。既にオーディエンスは知っていた。次に演奏するHeartsのボウイのカヴァーがなんであるかを——
Show達は楽器を構えるとAkiraが沈黙の儘カウントした。
ワン・ツー・スリーと。
イントロが鳴り響き静寂のシェパーズブッシュエンパイアにShowの歌声が響く——
Rock 'n' Roll Suicide——。ボウイのZiggy Stardust and The Spiders From Marsの最終曲。運命の別れにだが共に行こう——。両手を差し出してくれと歌われたボウイをボウイたらしめたペルソナ——ジギーの象徴と言う曲が、響く。
Rock'n'Roll Suicide
「そうね、凛湖ちゃんこのツアーからRougeカラーの凛湖ちゃんようにカスタマイズされたファントムをメインに使っているわね。ギターの名前」
神谷の何気ない言葉に凛湖はシリアスな月の光のように答えた。
「ええーー」
自分の残り少ないもしれない生のリアルを込めてーー
ファントムーー“VOX Phantom“ビザール・ギターとのカテゴリーに属されることも多いその特異なルックスと、立ち上がりの良いソリッドでロックなサウンドを鳴らす姿を消した名機。それを凛湖は彼女専用のカスタマイズをしてメインのギターとして使うようになっていた。UK製の最初期のみの仕様である"Phantom"を。
「はい、亡霊になってもギタリストとして演じ続けられたらと思って」
刹那沈黙が生まれたーー
亡霊ーーファントムが現れる時空気は凍えるのではなかったか。
未来はどうなるか判からない。だけど予感だけは感じていたい。その方が生を燃やすことができるからーー
凛湖のその言葉に神谷は答えたーー
「ごめんね。死の事を思い出させちゃったわね」
ダヴルアンコール——
それぞれスタンバイするメンヴァー。だが光はHearts全員に降ることは無くRougeだけにスポットライトが当たる。
ひかり・・・ひかり・・・
ただスポットライトの光がRougeだけに——
RougeはMartinからFenderに変えたRougeカラーのアコースティックギターを構え準備されたチェアーに座る——
舞い上がる歓声——
揺れながら舞い上がる——
Heartsを愛する歓声。
その美しくも甘くテンダーなライティングの中、RougeカラーのFenderのアコースティックギターを左利きで弾くRougeのThe Worldが鳴り響いた。
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