top of page

Rougeは過去のリヴァイヴァルではない音楽という美しさの物語。そして翼を欲しがった少女と少女の羽根になりたがった少年の物語。そこにロックの美しさーーエレガンスとソロウがある。今もの生きているのなら捧げよう。何もかも。音楽と言う名の牧神に。叶うなら。何もかも捧げる。それは2015年12月8日。ジョン・レノンの死んだ日に。日本武道館に奇跡的にライズの頂点を極めたヴァンドのそのシーンから始まる。

Rouge vol.51

アルヴァ厶のタイトルになった愛の呪文ABRACADABRAの言葉が刻印されているユリイカーーギリシャ語に由来する感嘆詞で、何かを発見・発明したことを喜ぶときに使われる。古代ギリシアの数学者・発明者であるアルキメデスが叫んだとされる言葉であるーーその言葉を愛の福音に変えたBUCK-TICK。その連呼されるLove! Love! Love! Love! Love!の言葉最後を飾るPEACEの歌声。

 

この現実世界で現実に対抗しようとするアーティストは少ない。デヴィッド・ボウイ以降死んだとされるかもしれない。優れたシンガー、優れたソングライティング。BUCK-TICKはABRACADABRAでそれをリアライズさせた。

Rouge vol.52

流されるFallen Angel──


その曲のドラムを聴いた瞬間──


コンコルディア・ディスコルス──
対立物の一致であり──
それでいて日月二つながらの別々の道を徘徊する驚異なのだ──
二つの性、二つの半休、二つの空──
いづれの一方にも加担しない両者の徘徊を通じて、育まれる友愛──

翔は凛湖、透に聴く──
「彼でいいかい」
「まだ1曲だぜ」
「嫌、彼なら全部叩けるさ。マーク・ボランとミッキー・フィンのギターとボンゴのように」
凛湖は言う──
「私も彼で良いと思うわ。なんか言葉に出来ないけど純潔さと悲哀さが共に混じりあった音をする。全曲聴いてみましょう、聴きたいわ」

Rouge vol.53

言葉は1度途切れ続いた。声高らかに。誓訓を読むがのように。
「イエスがルシファーの中で生まれ変わり世界を救ったと歌詞にあるでしょ。それがこの時代死んだとされたロックの復活だよ。前世紀のロックがヴァイオレンスとエレガンスに倣うものならーーこの時代のロックは」

それにShowは答えた。自然に何も戸惑うことなくーー
「ヴィクテムとエレガンスに倣うものだろう」
そして、汐野とShowの対話は続く。
「そう、そして、マーク・ボランとミッキー・フィンのギターとボンゴと言ったでしょう。始まりもなければ終わりもない生と死の回転運動、コズミックダンサーのような円環を経て」

Showの言葉が円環を循環するように戻る。
ロックのもっとも聴くものの感受性を破局に導いていた時代にーーProphetーー
「ヴァイオレンスとエレガンスに戻る」

Rouge vol.54

そして本当に懐かしい曲をと言うShowの言葉と共に演奏されるGrintとMasquerade night。最初のアルヴァムETERNAL THEATERからの曲だ。そしてHell is romanticではRougeがロマンティックなギターを弾き、Showと絡む。ロックとロマンティック一見相反するエレメントかもしれないが日月を行き交うように見事に融合し、オーディエンスに静寂を与える。

 

そのロマンティックさを振り切るようにHell is romanticが終わった後。

 

「新曲ーーSpiralをやりますーー踊れ!!」

Rouge vol.55

「そうか。新曲は」
 その問に翔はあえて最初の言葉を日本語で言った。
 「時間──Timeと言います」
 「そうかいどんな曲かな?」
 「日本の京都でのボウイを映した時間と言う写真集が出版されたんだけどそこからインスピレーションを得た曲です。HEROSの文があって過去を忘れる、または抹消する、だがHEROSを抹消するのは不可能に近い。時間は流れていく。だけどその時間に起きた事は抹殺できない事を表現しようと人を変える事があっても時間は奔放でボウイのTimeやジギーの象徴的なバーニングポスター、そしてかけがえのないRock 'N' Roll Suicideの時間はシガレットを燃やすと言う意味についても出した僕なりの答えです。時間は創造者と共にあると言う。ボウイが葵殿庭園を作った京都の庭師・七代目小川治兵衛と時空を超えて天才が出会うように。そして時間は駒を動かして遊ぶ子供の王だと言う寺山修司の言葉」

Rouge vol.56

異国のシュールリアリズムとも言えるこの異端なビートがオーディエンスをダンスに導く。永久の円環運動だ。ヘナムパークは巨大なダンスフロアになった。

そして凛湖のヴォーカルが悲痛なリリシズムを描き出すWold。
そして再びCall of The Nightに集まったオーディエンスをはためく蝶と蜜を吸わせる花のメランコリックな幻想に導くbutterflies and flowers。ここまで演奏するとShowは言った。
「新曲をやります(We are doing a new song)」Showはあえて日本語で言った。
「時間——time」
そして——
「さあ、時間だ(year, time!)」
と言う声と共にセダクションなRougeのギターのイントロが響く。
そしてShowがRougeに近づく。

2人の絡み合うような、だが、ヘンリー・カウのようなヴォーカルが少しメランコリックなだが確実なロックナンヴァーとして響く。

​購入はタイトルのリンクから。

bottom of page