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Rougeは過去のリヴァイヴァルではない音楽という美しさの物語。そして翼を欲しがった少女と少女の羽根になりたがった少年の物語。そこにロックの美しさーーエレガンスとソロウがある。今もの生きているのなら捧げよう。何もかも。音楽と言う名の牧神に。叶うなら。何もかも捧げる。それは2015年12月8日。ジョン・レノンの死んだ日に。日本武道館に奇跡的にライズの頂点を極めたヴァンドのそのシーンから始まる。

Rouge vol.32

 タンゴのSEが流れる。
 レクエイムのように。
 初めてのツアー、大阪でのライヴ。
 凛湖の心臓と初のツアーという緊張がHeartsを縛る。汐野も体調が悪いなりに会場に来て翔達を見ている。

 だが総ての台本を捨てる様にHeartsは臨む。凛湖はダブルスパンコールの赤とキラメキの姿にメイク、赤い髪でRougeになる。

 翔はゴルチェクラシックのシャツにスキニーパンツでShowになる。

 そして、Heartsは大阪のHeartsを待ち望んだオーディエンスの前に現れた。

 アルバム通りに最初はOmenから始まって行く。

 集まったオーディエンスにShowは答える。

 「このライヴはアルヴァムOmenに倣います。順に曲をやって行きます。踊れないかもしれないけれよろしく。I want you」

 それでもオーディエンスは熱い視線を送る。

 Show、Rougeに、そしてOmenの世界に。

Rouge vol.33

OmenのアルヴァムはAmen、 ballerina、Omen以は英語で歌われている。最初の曲OmenとフィナーレのAmen がそうであるように。対訳は汐野が当たっている。

そしてMirror、Corruption、Together、Entrance‪と続いてこの曲だけはShowがギターを取り、凛湖が歌うWachtraum。

歌われた。

Eternal Extravaganza(永久のエクストラヴアァガンザ)・・英訳されたそれから始まる歌詞が歌われている。そして声楽科出身のRougeが歌う。

伸びやかな声で高音迄出す。

 

Agnieszka Osipaの衣装、そして、ヘッドドレスを着たRougeは普段の儚げな感じではなく、美しい血の蜜を垂らす花のように艶やかに、だが、凛として歌う。

Rouge vol.34

言葉は繰り返し続く。 「このプロジェクト、タイムラインが厳しかっただろうけれど、僕は最後にアドヴァイスする。詩人らしく。僕はシノヨアケで自分を取り戻し、そして越えた。ボードレールのように韻律を忘れず、そして楽しんで」 開演まで後1分。 汐野は翔を呼ぶ。耳打ちする。 「翔君にだけは本当の僕の名前教えておくね。読みは同じだけど、後でHeartsの皆と神谷さんに伝えて。それ以外は無しで」 「・・・・・・」 「いつまでも 永遠に ・・・・・・・ 時間も空間も何もかも越えて ドリフト続ける赤く燃えるテラプレイン のようにね」 そして汐野の導きと送り出しと共に皆は輪になり、手を合わせ云う。

Rouge vol.35

 noahは本田毅モデルカスタムを2曲目からチャームの着いたコムを投げ捨て、そして黒のレースの上着を翻し、ミニスカートに高いヒールでギターを弾き、そして立てかけ手を広げ歌う。再びギターを持つ。歌う。汐野が凜湖の耳元でここを見てと囁く。

 その言葉に倣う凛湖。

 英語の歌詞を汐野と凛湖は必死に追う。翔は帰国子女だから後で教えて上げなきゃと透に言う。

 黒い3人のステージはいつ果てることも無く続く、黒く——

 ノワールに——

 翔と凛湖は最新鋭の照明、PAシステムを持つライヴハウスの1つ高円寺HIGHで行われる101Aのライヴを観て、南青山WALL&WALL3daysを成功させた自分たちもまだまだだと思った。人知れずライヴハウスには101Aを初め、こんな素晴らしいヴァンドが沢山いる。

 自分たちはまだまだだと思った。

 素晴らしい邂逅・・

 noahの歌詞が響く・・

 既に絶版になった歌詞を・・

 それはロックのノワール・ノクターン。

Rouge vol.36

Kateの降ろした茶色の髪がスポットライトに濡れる。
それを汐野、凛湖、そして後ろの席の翔は美しいと思った。

その時翔は何故か鏡子の事を憶いだしていた。

曲は続き哀しみを乗せたかのようなHere and Thereに続く。
No Way No way(道はない、道はない)と続くリリック。それは少しづづ確信に迫るdisappear(消える)、Hello. Darling.(ハロー、ダーリン)、そして二番目に移りIt's far Star And Darling(星は遠い。そしてダーリン)とリフレインが続く。

その時翔は何故か少し前にいる凛湖より鏡子の事を考えていた。

Rouge vol.37

思いださせるように凛湖の声が響く。
「インスタントリクエストよ、翔。送ってみたら」

「じゃあ僕と凛湖で送ろう」

翔と凛湖の声が響き、続く。

「バレンタインでテーマを決めよう。ジョージさんとシャウラさんがリクエストを読み上げている」

曲が決定した。

DJが流れる。

「インターラプターズ、ランシッドのメンヴァーとも仲良い」

「凛湖は何送った?」

「u crack irigaruのone normal day、だけどムーヴィ送っちゃったし当たらなかったね」

「僕は晴天の霹靂の何かだから当たらなかったね」

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